既設発電所を、次の使い方へつなぐ
自然電力は、由布庄内野畑太陽光発電所をFIP制度へ移行し、発電される電力に紐づく環境価値をバーチャルPPAで東京建物へ長期的に供給すると発表しました。発電所は大分県由布市にあり、DC容量は480kW、2015年12月に運転を開始しています。既にある設備を前提に、売電と環境価値の使い方を組み替える動きとして位置づけられます。
参照:自然電力と東京建物 既設FIT発電所のFIP移行によるバーチャルPPAを締結 – プレスリリース(別タブ)
使う側では、ビルの再エネ利用に結び付く
供給先は東京建物博多ビルで、同ビルの電力使用量に環境価値を付与する仕組みです。電気そのものの供給場所と、再エネとしての価値を分けて扱うため、発電所がある地域と需要家が離れていても連携しやすい点が特徴です。需要家にとっては、既設設備を生かした再エネ調達の選択肢が一つ増えた形です。
参照:自然電力と東京建物 既設FIT発電所のFIP移行によるバーチャルPPAを締結 – プレスリリース(別タブ)
新設だけでなく、既存設備の活かし方が広がる
この発表は、新しい発電所をつくるだけでなく、すでに稼働している設備を制度変更と組み合わせて活用する流れを示しています。2025年4月以降の制度変更により、2022年4月以前に稼働開始した既設FIT案件でも、FIP転換を通じたPPA活用の環境が整ったと説明されています。発電所の運営を続けながら、別の契約形態に組み替えていく実務の広がりが見えます。
参照:自然電力と東京建物 既設FIT発電所のFIP移行によるバーチャルPPAを締結 – プレスリリース(別タブ)
取り組みに寄せて
太陽光発電は、新設の規模だけでなく、今ある設備をどう長く使うかでも価値が変わります。由布の事例は、地域で運転を続ける発電所の環境価値を、都市部の事業所の再エネ利用につなげる形でした。電気をつくる場所と使う場所が離れていても、契約と制度を組み合わせることで、再エネの使い方を広げられることが分かります。
発電所の継続運営、需要家との長期契約、制度の切り替えが重なると、設備の役割は一つに限られません。地域の発電を無理なく活かしながら、企業の電力調達にも選択肢を増やしていく取り組みとして、落ち着いて見ていきたい事例です。